|
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
おすすめキーワード(PR)
ファン
|
先に決めた裾線に忠実に、まずは下前を身体にまとわせます。
まとわせ終わったら、そこで、裾を15cmほど上に持ち上げる。 次は上前。身体にまとわせたら、下前の裾の半分の高さ、7~8cm持ち上げる。 「裾線に忠実に」なのですが、格の高い長着は、 裾を床に引きずらせるようにしてまといます。そして、最後の持ち上げはやや低めに。 格の高い長着ほど裾は長めに、ということです。 あと、腰紐を締めるとき、どうしても丈が詰まるというか、裾が上がるんですね。 なので長めに。さらに、腰紐を締めた後で直すときは、 短い裾を直すために、ぎゅっと締めた腰紐の下から長着を引っ張り出すより、 長い裾を直すために、ぎゅっと締めた腰紐の上から長着を引っ張り上げるほうが、ラク。 そして、生地も傷みにくい。 さて、上前をまとわせたら、右手で、衿先のあたりをしっかり押さえて、 下がったりずれたり、崩れたりしないようにします。 で、左手は、左の身八つ口から中に差し入れ、下前の衿先とおぼしきあたりを持ち、 やや左斜め上に、身体にきゅっと添うように、引っ張ります。 下前が身体にちゃんと添っていると裾すぼまりになって、 上前の裾まわしが、ちらりと顔をのぞかせます。
背中心が決まったら、裾を決めます。
衿先の少し上を片手で持ち、もう片方の手、というか指で、 背中心を持ちます。このとき、衿先を持ってる高さと、背中心を持ってる高さが 水平になるようにします。 前後ろをいっぺんに、そうですねぇ、ふくらはぎ位までかなぁ、 持ち上げて、それから、ストンと下に落とす。 ストンと落とすといっても、両手を離してはなりません。 ストンと落とすような気持ちで、下ろしながら、裾線を決めるのです。 礼装のときの裾は長めに、ふだん着はやや短めに、が基本です。 長めというのは、床すれすれ、ほんの少し床から離れてる位の位置。 「え? そんなに長くて裾を引きずらないんかい」と、初めは思ったのですが、 ほれ、草履っつーもんを履きますからね。大丈夫なのです。 とくに礼装用の草履は、台が3段とか、要するに厚底になるので、 長着の裾線を短くしてしまうと、草履を履いたときにつんつるてんに見えるのです。 一方ふだん着の裾線は短めに。それでも踵が少し見える程度の位置に決めます。 きものの場合、ふだん着とは小紋や紬などを指します。 礼装じゃなくても、立派なお出かけ着なのです。 ならばやはり、ハンカチ王子並みに品よく見えるように着たほうがよろしい。 それには踵が少し見える程度の位置が適切です。 ふだん着でも、さらに気楽な木綿のときはもうちょっと短めに、 浴衣のときは、さらに短めにしてもいいと思います。 どんな長着を着るときでも、後で草履や下駄を履く。 そのことを頭に入れておくと、裾線も決めやすいんじゃないでしょうか。
長襦袢が着上がったら、いよいよ長着を着ます。
長着の背のほうを自分のほうに向け、両袖を合わせ持ち、 合わせた部分を片手で持って、右でも左でも、自分の好きなほうから 自分の背中までまわして、両袖を開いて、袖にそっと腕を通して着ます。 左右の衿の縫線を合わせて、合わせた所を片手で持ち、 反対の手の人差し指と中指を、襦袢の衿と長着の衿のあいだに滑り込ませ、 親指で長着の衿を軽く持って、背中心方向に軽くしごき上げる。 反対側も同様に。こうして背中心を決めます。 このとき、半衿がピシっとついてないと、しごいても半衿がしわっぽくなります。 ちょっとショボンです。 しごいているうちに、しわがうまく見えない部分に寄ってはくれますが、 着ているうちに、やっぱりしわついてきてしまいます。 半衿をつけるときは、ケンチョウ機(布をひっぱる和裁小物)を使って、 なるたけピシーーっとさせておくほうがよいですね。 襦袢の衿は、長着の衿より控えます。 「控える」というのは、要するに出っ張らないようにする、ということ。 長着の衿が、襦袢の衿より、5mm位出るようにする。 肩の縫い線位まで控えさせておくのが目安です。 そうすると、後ろから眺められたときに、長着の衿の内側に、 長襦袢の衿がちらりと見えて、きれいなのです。 それから、襦袢の衿と長着の衿を、ピンチ(洗濯バサミ)で止めます。 止める場所は、背中心でなくても、多少左右に偏っていても大丈夫です。 控えさせた衿がずれないようにするのがポイントなので。 洗濯バサミでも十分ですが、心配な方には、着付用のピンチがおすすめです。 きものに当たる部分にゴムが貼ってあり、当たりがやわらかです。
補整が終わったら、いよいよ長襦袢を着ます。
今なら夏用の襦袢。夏用のきもの(薄物)は透けるものがほとんどなので、 透けて見えてもいいように、襦袢も白です。 半衿は絽にします。絽縮緬はひとえの時期だけが適切といわれます。 前に紹介した美容衿にも絽のものがあります。 長襦袢も衣紋を抜いて着ます。 夏用の襦袢で仕立て上がりで売っている二部式のものは、 たいてい衣紋抜きがついています。 しかししかし、紐を通して、紐でぐいぐい引っ張っても、 衣紋はきれいに抜けないのです。 ではどうするか。 肩で抜いて着ます。 肩で抜くというのは言葉にすると難しいのですが、 肩にしっかり着せかけない、とでもいうのでしょうか。 襦袢の肩の縫い線が、肩より後ろに来るように、ふんわり着ます。 その状態で、衿の交差点を決めます。 お若い方はやや詰め気味に喉のくぼみあたりに、 ややエイジングなお姉さんは、喉のくぼみの下あたりにするとよいでしょうかね。 長襦袢を着たときに、胸の頂点あたりに衿の外端がくる、という角度も目安になります。 交差角は、礼装になるほど直角に近く、くだけたきものはやや鋭角に。 ちゃんと着なくちゃと、あんまり詰め過ぎ・直角過ぎるときつそうに見えるので、 その点は注意です。 とくに夏のきものは、苦しそうに見えると暑さも倍増ですからね。 美容衿の場合、衿の下のところに紐がついてるので、 左右の紐を背中の衣紋抜きにそれぞれ通し、前で結わえます。 美容衿はついていないけど、衣紋抜きがついている襦袢は、 紐の中心を胸の中心に当て、それから左右の紐を衣紋抜きに通し、前で結わえる。 衣紋抜きは、2段とか3段に分かれています。 上の段に行くほど、衣紋がしっかり抜けます。 留袖や訪問着を着る場合は絶対最上段。 ただし、きものを着ている間に衣紋はどんどん詰まってくるので、 たいていは最上段にしておくほうがおすすめです。 抜け過ぎ!と思ったら、前で紐を結わえた後、前身頃をちょっと引っ張ればよいので。 ただし喪服は、礼装ではありますが最下段に。喪服は衣紋を抜かずに着るのです。 衣紋抜きで紐を交差させたら、左右の紐を下に引っ張りながら前にもってきて、 それから結わえます。衣紋抜きがついてる場合、 紐は胸でなく、お腹のあたりまで下げて結わえると、 衣紋の抜けた状態を維持できます。 衣紋抜きがついていない襦袢は、紐の中心を胸の中心に当て、 左右の紐を後ろで交差させ、前で結わえます。 最初に抜いたかたちが崩れないよう、そろりそろりと。 これから先は全タイプ共通。 衣紋の抜き具合を確認し、抜き過ぎだったら前身頃を少し引っ張ります。 前の引っ張りが足りないと、長着を着たとき、 なんだかボワッと、長着が浮いたようになるので注意します。 抜きが足りないときは、後ろ身頃全体を少し引っ張って調整します。 衣紋抜きだけ引っ張ったり、背中心(背中の真ん中の縫い線)だけ引っ張っても、 すぐ元に戻ってしまいます。「肩で抜く」ことを忘れず、身頃全体を引っ張ります。 紐の下、とくに背中は中心に向かってシワが寄ってしまいます。 背中の中心の紐の下に、クイっと鍵状?に折った左右の人差し指を入れ、 左右の脇までしごく。これでシワが目立たなくなります。 それから衿の交差角を確認。 鋭角過ぎたら、衿の先をちょっと上に、直角(鈍角)過ぎたら衿先をちょっと下に、 それぞれずらすようにすると調整がききます。 衿の角がOKになったら、それを固定するため、胸の丘の下で、伊達〆を締めます。 長襦袢も、下前・上前ともやや上げ気味に着ると、 それが長着の裾すぼまりに反映されます。 長襦袢は、長着を着てしまうとお直しができないので、 慣れないうちは、少しゆっくりめに着たほうがいいかなーと思います。
単衣の季節はあっという間に過ぎ、薄物の季節になりました。
何を着ても暑いのが夏。それならきものをびしっと着たほうが、よほど見た目に涼しげ。 そう言ってくださったのは、わたしがいつも「すてきだなぁ」と思っている、 おきものマダムです。いい言葉だなぁ。 そこで、夏もびしっときものを着るため、というか、 びしっとばっかりだと暑くてたまらないので、手を抜けるところとか、 自分がやったり知ったりしたこと、少しだけど記したいと思います。 ①汗取り襦袢 ふつうのさらしの襦袢だと、大量の汗を全部吸い取れず、 長襦袢→長着と汗じみになる可能性があります。 心配な場合、ふつうの襦袢だけど背中のところに、汗を吸う部分がついてる、 汗取り襦袢というものを着るのがおすすめです。 ②裾よけは必須 市販の夏用の二部式襦袢は、上は綿でも下はポリエステルということがほとんど。 少しでも薄着~!と思って裾よけを省くと、かえって熱がこもってしまうんです。 暑くても、裾よけをつけたほうが快適です。 ③でも、裾よけよりステテコ クレープ地というのか、シャワシャワした夏用の薄いステテコを裾よけ代わりにする。 太ももからふくらはぎにかけての、汗のまとわりつきがおさまる点は、 裾よけよりすぐれています。 ④縫う? ならば、熱のこもらない、麻や綿麻素材で、襦袢の下を縫ってしまえばいいではないか。 もちろん市販品にもそういうのはあるんですけどね。 自分で縫うとびっくりするほど安上がり。わたしはネットで、 縫い方や布地の準備のしかたを紹介してくださってるサイトを見つけました。 布も買い、水も通したんですけどね。しかも去年。未だ着手せず。トホホ。 お針が得意な方や、ミシンがある方だったら、ものすごく短時間でできると思いますよ。 ⑤紗献上の伊達〆は 一昨年、正絹・紗献上の伊達〆を買いました。 でも、本当に涼しくなったのかどうかは、微妙。 夏用としてもっと安く売られている伊達〆と、効果自体はあんまり変わらないかも。 結構いいお値段なので、とくにはおすすめしません。 ただ、万一長襦袢姿になったときなんかは、見栄えがいいかも。 ⑥夏の半衿は掛け捨て 前にも書いたように、わたしはふつうの布を半衿として使ってます。 大きな布屋さんで探すと、透け感のある、夏向けの布も売ってます。 あと、地が詰まっていない麻とか。安いのが見つかったときにまとめ買い。 それを、1回つけたら、おしまいにする。もう半衿にはしないってことです。 なんというか、水を通していないパリッと感が、 涼しく引き締まった印象をつくる気がする。なので掛け捨てにしちゃいます。 と言えればカッコいいのですが、やっぱり惜しみゴコロが出ちゃうので、 綿麻とかの普段着を着る時ようにまわし、3回位つけたらお掃除用にしています。 ⑦涼しい枕 枕と帯を背中にしょってるから暑い。これはきものを着る限り、逃れられません。 去年、とあるサイトで、たしか中身が麻かなんかの繊維になってる、 通気性のよい枕を見つけました。ふつうの枕と見た目に違いはないので通年使える。 しかも、枕を包むガーゼもついてきて、たしか1000円くらい。 いやー、いい買物だなぁ。 と、思いましたが、でもやっぱり紗献上の伊達〆同様、効果のほどがわからない。 ふつうのより、ちょっとは軽いけど。 今年試したいのは、ヘチマタワシを枕にする方法です。 100円ショップで買ってきたヘチマタワシを、枕の幅に切って、ガーゼに包んで。 あともうひとつは、枕を入れない帯結び。枕代わりに腰紐で帯をしっかり固定。 ぺしゃんこに見えるけど、ふだんぎレベルだったら問題ないですもんね。 ⑧さらにヘチマ ヘチマを薄切りにして、ガーゼ代わりに、胸とか脇とかお腹とか、 汗が気になるところにし込んでおくと、とってもいい汗取りになるそうですよ。 そりゃ吸水性は抜群だし、使った後は洗って乾かしておけばいいし。 「ヘチマの汗取り」というのは、昔はずいぶんと使われていたようです。 ⑨いっそ半幅帯 半幅帯は、結び方に決まりがありません。 貝の口・男結び・文庫・方流しなどなど、基本の結び方から、自分流にアレンジを。 帯〆を使えば、枕を抜いた小さなお太鼓もつくれます。身軽に涼しくなれますねぇ。 ⑩気は引けるけど、冷房ガンガンで着る 自然環境のことを考えると大変に気が引けるのですが、着装のときは、 とにかく部屋を涼しく。さらにその冷えた部屋に着るものを全部つるしておいて、 きもの自体もひんやりさせておくとよい。とにかく汗かきますから。 きものを着る人は、みんな色んな工夫をお持ちだと思います。 わたしも、何か見つけちゃったたびに、書こうと思います。
着付師範の免状をもらうためにわたしが受けた試験では、
九寸なごや帯での他装(人に着せる)・袋帯二重太鼓での自装(自分が着る)を、 長着を着るところから帯まで10分で仕上げる、という実技がありました。 なので、意を決すれば、今でも10分で着上げるのは可能です。 でもでも、家ではそんなに急ぐ必要はない。 とくに休みの日にだけ楽しみで着るとか、ぴしっとした着上がりにしたいときなんか、 急ぎ・焦りは禁物です。 焦るとヘンな汗が出てきて、ますます着にくくなりますからね。 休みの朝というのは、なんとなく身体の動きが鈍いもの。 きものを着て午前中に家を出なくてはならないとき、わたしは念のため、 着装のためにかける時間を1時間と見積もります。 ぴしっと着たいときは、裾よけから入念に着けていきたいんですね。 肌襦袢・裾よけ・補整具、 紐・伊達〆・衿を止めるピンチ・仮紐・帯〆・帯揚などの小物類は、 前の晩からひとつ所にまとめておいたほうがよりよいです。 長襦袢・長着・帯も前の晩から衣紋掛けにかけておく。 そうしておくと、翌朝、「あれがない、これがない」と、探しまわることなく、 さっと着装にかかれます。 もちろん、バッグなどの携行品の準備もしておくほうがよいですね。 きものが着上がってしまった後は、洋服のように大股で飛びまわったりできません。 出掛けに気が急いていると、足や腕をぶんぶん振りまわして、 挙句着崩れたり、裾を引きずるようなことになりかねないですから。 わたしは髪が短く、化粧もしないのですが、 髪のまとめやお化粧もきっちりしたい場合は、その時間も必要ですね。 思いのほか早く着上がったら、お茶でも飲んで気分を落ち着けるもよし、 早めにでかけてのんびり現地に到着するもよし。 「あの電車に乗らなくちゃ遅刻~!」と、きもので走ることもありません。 そういえばわたしは、ここ何ヶ月間で、1~2回しかきものを着てません。 色々立て込みごとがあり、着る気にならなかったんです。 きものを着るには、ふだんからの心のゆとりっていうものも必要なんだよなぁ、と しみじみ思っています。
補整まで済んだら、次は長襦袢を着ます。
しかし、もう単衣の季節。長襦袢も夏用、帯も基本的には単衣用になります。 夏用の長襦袢まで手元にある、というのは、かなり幸運なケースだと思います。 それに、夏用の襦袢だろうが、単衣だろうが、もう暑い。 きものに慣れていたって、着る気が失せるというものです。 慣れていないうちはなおさら。 そこで、きものではなく、浴衣を着てみましょう。 浴衣というと、花火大会やら、盛夏の夜用と考えがちですが、 洋服に当てはめると、Tシャツとジーンズ、くらいのくくり。 夏の気楽な普段着と考えられます。 ただ、いかに暑いとはいえ、まだ浴衣で出かける時期ではありません。 ということで、まずは部屋着として着てみましょう。 浴衣といっても、背縫いを背中の真ん中に合わせる、裾すぼまりにする、 上下のおくみ線を一直線に合わせる、一重上げをしておはしょりをすっきりさせる、 おはしょりを最大7~8cm出す、腰紐の下の皺を左右に寄せるなど、 きれいに見える着付けのポイントは長着と同じです。 補整もします。でもお尻の補整もついた補整具ではなく、タオルを巻くほうが適切。 一方、帯は半幅で十分。気楽です。 家で着るだけなら単衣用の帯を練習用に締めてもよいでしょう。 (この場合は補整具をつけてもいいと思います) 袂のあしらい方や、腕を不用意に上げると 身八つ口から二の腕までがばっちり見えてしまう。 こんなことも体験しながら覚えていけます。これが着慣れる、ということであります。 脱いだ後は、衣紋掛けに掛けて、汗の湿気や温みを取ります。 浴衣のまま家事をするなら、割烹着を着ておくと、汚れを防げますが、 何度か着ると、どうしても汗じみるというか、浴衣がくったりしてきます。 そうなったら浴衣を夜具畳みして、 できるだけぴったりの大きさの洗濯ネットに入れて洗濯。 白地の浴衣は、汗汚れを放置しておくと黄ばんでくるので、 マメに洗濯したほうがいいと思います。 洗濯には水を使います。お湯で洗うと、とくに藍染めのものなど、 悲しいほど色落ちするので。地色が白のものは、 白のところが藍に染まってしまって、外に着て行けなくなってしまいます。 粉石けんは、水で溶かすと溶け残ってしまうので、液体石けんがおすすめです。 石けんで洗うとごわごわせず、その一方、 綿に残っている油分(綿実油)を徐々に落とす。 綿そのものの風合いを損ないません。 液体石けんを水でよく泡立てて洗って、水でよくすすぎます。 すすぎ残しがあると、黄ばみやいやな匂いの原因にもなるので、 水をちょろちょろ流す、流水すすぎがいいと思います。 軽く脱水して、水が滴るほどの状態で衣紋掛けに掛けて、 風通しのよい日陰で乾かします。 最後のすすぎの時に糊剤を入れて置くと、乾き上がりがパリッとします。 ただし、長期間しまっておく場合は糊を入れません。 糊をエサになって虫やカビが繁殖するそうです。 今頃の時期からこうやって浴衣を着慣れておくと、いよいよ夏本番になったとき、 「あの人、ちょっと違う」と思われ(ているような気がし)てムフフ、 というわけなのであります。
きものを着るには茶筒のような体型がよいといいます。
一方、人の身体は色んなところがでっぱったりへっこんだりしています。 どんなにふくよかな体型でも、へっこんでるところはある。 その凹凸を補うのが補整。それにより、 1.苦しくなく着る 2.美しい着姿に仕上げる 3.着崩れを防ぐ ことができます。 1.苦しくなく着る 長着を着るときは、腰紐をぐっと締めなくてはなりません。 補整をしないで長着を着ると、ぐっと締めた腰紐が身体に食い込み、 時間が経つほど痛苦しくなります。 ウエストの凹みは、おはしょりが隠してくれますが、食い込みは防げない。 そこで、肌襦袢の上からウエストまわりにタオルを巻く。または補整具をつける。 それから腰紐を締めると、身体への食い込みが防げます。 タオルを使う場合は、タオルを半分の幅に折ったものを2枚縫いつなげて巻き、 上から紐(腰紐では長過ぎるので、適当なものを手芸店で買います)で軽く縛り押さえる、 というのが、最も安価に済むと思います。 わたしは半分幅に追ったタオルを2枚重ねて、さらに両端を三角形に折り、 三角形の頂点に紐を縫いつけたものを使っていますが、これが大変便利で、 浴衣を着るときでもつけるくらいです。 また、冷房の効きすぎている夏の室内では、補整が腹巻代わりになって、 冷えを防いでくれる、というおまけもついてきます。 お金はかかりますが長く使うことを考えれば、補整具も便利です。 身体に巻きつけ、ついてるベルトを留めればよい。 お尻の補整もついています。 2.美しい着姿に仕上げる 胸が豊かな人が補整なしできものを着ると、着上がったとき、 帯の上に胸が乗ってるように見えることがあります。 帯の締め方を調節することで防ぐこともできますが、和装ブラジャーも手軽。 昔使われていたサラシの代用ですね。胸を平らかにしてくれます。 和装ブラジャーは伸縮性のある素材でできているので、 適切なサイズを選べば、胸全体が締め付けられるようなことはありません。 また、首の下あたりから胸のふくらみにかけて、身体は案外凹んでいます。 補整なしに着ると、その凹みが身体と長着の隙間を生み、ゆるんで見える。 凹みに合わせて、脱脂綿を薄く載せると、ゆるみが防げます。 留袖・訪問着・格の高い小紋などのときは忘れずに補整しましょう。 ふだん着のときは、ゆるみも味になります。 どこを補整して、どこを補整しないか、ふだん着の場合はお好みで。 3.着崩れを防ぐ とくに染めの長着、綸子や縮緬などは重みがあり、表面もサラサラしてるので、 ぐっと締めておかないと、歩いているうちに紐がグズグズになり、 最悪、裾をひきずる恐れがあります。 補整をして、ぐっと腰紐を締めておくことで、これを防ぎます。 また、腰、だいたい尾底骨あたりのところにも、うっすら凹みがあります。 折りたたんだハンドタオルなどを、ウエストの補整に噛ませて入れておくことで、 お太鼓結びのたれの中央が凹むのを防ぐことができます。 (ウエストに市販の補整具を入れる場合、補整具に腰用の補整がついてるので、 タオル入れる必要はありません) 補整というと、身体を締め付け、苦しめるもの、という印象がありますが、 実は、長着・帯との緩衝材の役割を果たしてくれるものなのです。 補整自体は身体に添わせる程度、補整で身体を締め付ける必要はありません。 きものを着ると苦しい・痛い、着崩れした、という経験のある方には、 一度補整を試していただきたいなぁ、と思います。
裾よけを着け終わったら、肌襦袢を着ます。
長着同様、右を下に、左を上に前で合わせるのですが、 前の合わせ方にのみ気がいっていると、後ろの衿がつまり気味になります。 長着の衣紋は、 ①喪服の場合は抜かない ②礼装の場合はひと手幅分くらい抜く ③普段着の場合はひと拳分くらい抜く が基本となります。 ②③の場合、肌襦袢をつまり気味で着ていると、長着の抜いた衣紋から、 肌襦袢がちろり~んと顔を見せることになる。 この着方、どうやら昔はおかしくなかったようです。 おばあちゃん世代の前で、襦袢をあんまり抜いて着ると、 「そんなのおかしいわ~」と言われることもあるらしい。 ただですねー、実際、抜いた衣紋から襦袢が見えてるというのは、美しくない。 わたしも親戚の結婚式で、色留袖を着ている別の親戚の 「襦袢顔出し」に遭遇しましたが、およよ~と思ってしまいました。 間違いではないし、お付き合いもありますゆえ、指摘はしなかったのですが。 わたしは休日のみきものを着る身です。少ない機会なら、ばっちり決めたい。 ということで肌襦袢は思いっきり抜いています。 とはいえ、自分では出てるか出てないか確かめるのは困難です。 たまに見えてることもあるみたい。 でもそんなときでも「あらかわいい~」って言われるのはですねー、 襦袢の衿が赤いからなんです。 見えたときでも愛嬌があるよう、衿に赤いテープが縫いつけてある襦袢を着ます。 そういうのも売られているし、器用な人なら自分で縫いつけてもOK。 長着の色柄・格を考えて、赤以外の、別の色柄のハギレを縫いつけても、 「しゃれてるわ~」と言われます。 そんなのは手間!というときは、肌襦袢を合わせるとき、 補整具をつけるとき、そして長襦袢を着る前と、 何度も肌襦袢の背中心(背中の真ん中にある縫い線)をしっかり引っ張っておきましょう。
長着は「裾すぼまり」に着上がると美しい。
裾広がりになると、着上がり姿が、だらびろ~んと見えます。 裾すぼまりは裾よけから。 巻き付けたとき、長着同様、上前を上げ気味に、下前は上前より上げ気味にすると、 うまいこと裾すぼまりになります。 裾すぼまりになってるかどうか不安なときは、裾よけをつけた後、ちょっと歩いてみる。 足の動き(裾さばき)が制限されるような、小股でしか歩けないような、 そんなもどかしさを感じたら、多分それでOKです。 今は裾よけと肌襦袢が一緒になった、スリップ式の襦袢が売られています。 これだと裾すぼまりになりにくい。おそらく絶対ならない。 裾よけ部分がスカートっぽくなっておりますのでね。 「裾さばきがラクでいいじゃんかよー」という面もあります。 ところがわたしは平素、ジーンズ・スニーカー姿で大股歩きの女。 スカート裾よけだと、きもののときでも、ついついズンガズンガ歩いてしまうのです。 きもののときは、ちょっと小股で歩くほうがきれい。 すぼまった裾よけは「大股で歩いてはいかんぞ」と注意してくれる、 ありがたい相棒であります。 < 前のページ次のページ >
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||